昨日、宇宙人にさらわれました。

さらわれた時に勿体ない精神発揮するのって珍しいですね。

宇宙人です。よろしくお願いします。

そうですね。実在させてもらってます。

ま、気を使ってますからね。

まずそちらの言葉に合わせて喋っています。私、頭もいいんで日本語とかも余裕なんです。

私の本名パピルポピン・パパルとか言っても伝わりづらいでしょ？

そこまで見越して宇宙人ですって自己紹介してます。キーも下げますよじゃあ。

こんなもんって何よ？

なんか、不満そうですね。

うるさいね。

パチンコから帰ってきて愛を確かめ合うにはちょうどいい広さでしょ。

わかりますよそれくらい。結構、地球詳しいですからね私。

心の距離が何億光年分も近付きましたね。

宇宙ギャグは伝わらんのかい。

それを人はヤラセと呼びます。こういうのは2回言っていいことないですから。

詫びになってないんですけどね。

あ、ようやく確信に迫る質問きましたね。

うん、遅いけどね。

かんしゃくで乗り切ろうとすな。

もちろん話しますよ。まずね、本当のことを言うとさらってはいないんです。

よく皆「さらわれる！」とか言うじゃないですか？

でも本当にさらわれてるならこういう事実を知る人は誰もいないわけですよ。

みんな生還してるからこそ話ができたり、描写できるわけです。

私たちは人間をさらってはいません。少しお話に付き合ってもらってるだけなんです。そしてある程度、話を聞けたら必ず解放してるんですよ。

もう何なの。スヌーズ機能ついてるの？

私の例えは一個も刺さらないのね。

「どういうことですか」を大量生産する工場？

急に落語家？

インタビュアーとしての自我を取り戻すまでが早いな。

 

いや、全然そんな事ないんですよ。侵略なんて面白くない事はしません。

「最近、何してる時が楽しいですか？」とか

「あなたはこれから何をやりたいんですか？」とかを聞いてます。

私たち宇宙人って、暇なんですよ。

 

基本的に死なないんです。寿命ないし、傷は自然治癒能力で治せるし、争うような相手もいないし。

やる事がないんです。

 

だから遠路はるばる地球まで来て暇つぶしをしてます。一人ずつ自分のUFOに招いて話を聞くなんていう非効率なことが愛しくなってきちゃうんですよね。

それが驚きなんですよね。たった100年しか生きられないのに暇だと感じるのが不思議です。

私だって暇だと感じ始めたのは5､600歳の頃でしたよ。

人生っていう物語のページをめくる音が聞こえたからですよ。

福本さんは次のページに何を描きますか？

うん。それはなぜですか？

なるほど。

生きていて建前とか嘘とかは世界に渦巻くけど、

いつでも詩の中には本当の言葉がある。っていうことですよね。

すみません。

まぁいいんですよ。楽しかったですから。

独りだから寂しいですよ。何かを埋めるためにこんなことをしてるのかも知れません。寂しさって宇宙共通なんですかね。

また言いますか。私はこれで十分なんです。

 

「ワレワレハ」とか言った事ないんですよね。独りだから笑

気楽なもんです。

こちらこそありがとう。

また会えますよ。物語がまた少し進んだときにでも。

なんだよ。

ちゃんとわかってるじゃん。